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ベトナム株の株式配当と「新株を買う権利」は、1株に満たない端数が切り捨てになります。
配当や権利は「100株につき12.69株」のような割合で配られるため、持っている株数によっては端数が出ます。端数は切り捨てで、切り捨てられた分は消えます。現金での精算はありません。また、買う権利を実際に使えるのはベトナムの証券口座で株を持っている人だけで、日本の証券会社の口座では権利を行使できません。
ベトナム株の配当には、現金のほかに「株式配当(株でもらう配当)」と「新株を買う権利」があります。どちらも配られる量が割合で決まるため、日本株の配当とは受け取り方がかなり違います。今回は、端数がどう扱われるか、権利を使うには何が必要か、外国人がベトナムの証券口座を開けるのかを紹介します。
端数は切り捨てになり、消えてしまう
株式配当も新株を買う権利も、受け取れる量は「持っている株数 × 割合」で計算します。この計算で1株に満たない端数が出たときは、1株単位に切り捨てられ、切り捨てられた分は消えます。お金で返ってくることはありません。
計算の例
- 株式配当「100株につき12.69株」を1,000株持っている場合
1,000 × 12.69 ÷ 100 = 126.9株 → 受け取れるのは126株。0.9株分は消えます - 「100株につき0.40株を買う権利」を1,200株持っている場合
1,200 × 0.40 ÷ 100 = 4.8株 → 買えるのは4株。0.8株分は消えます
端数をどう扱うかは、本来は会社が決めることです。ただしベトナムでは、ほとんどの会社が「切り捨て・端数は消滅」を選んでいます。株主に配られる公式の通知にも、「1株単位に切り捨て、端数(小数部分)があれば消滅する」とはっきり書かれています。
参照:株式配当の権利確定日のお知らせ(Vietstock)/既存株主向け新株発行の権利行使・譲渡の案内(デオカー交通インフラ)
割合が小さいほど、端数で消える割合は大きくなります。「100株につき0.40株」のような小さな権利では、250株ごとに1株しか買えません。250株未満しか持っていない人は、権利があっても1株も買えないことになります。
権利を使えるのは、ベトナムの証券口座を持っている人
新株を買う権利は、証券口座の記録として配られます。そのため、権利を行使する(お金を払って新株を買う)のも、ほかの人へゆずるのも、ベトナムの証券口座を持っている人だけができます。権利確定日にベトナムの証券口座でその株を持っていれば、証券会社から申し込みの案内が届きます。
日本の証券会社では、権利を行使できない
日本の証券会社でもベトナム株は買えますが、新株を買う権利は行使できません。売れる場合は証券会社が売って現金で支払い、売れない場合はそのまま失効します。ベトナムには権利を売り買いする市場が整っていないため、実際には失効することが多くなります。
ベトナムでは同権利の売買市場が整備されていないため、当社では、売却可能な場合、売却し、現金にてお支払いいたします。売却出来ない場合は、失効することになります
株式配当も同じで、日本の証券会社では株のままでは受け取れず、配られた株を売った代金が現金で振り込まれます。売買単位に満たない端数の株も、原則として売却して現金で支払われます。受け取り方の違いは、次の記事でくわしく紹介しています。
外国人でもベトナムの証券口座は開ける(在留カードは要らない)
ベトナムに住んでいない外国人でも、ベトナムの証券口座を開けます。一時在留カード(TRC)は必要ありません。証券会社は「ベトナムに居住していない外国人(非居住者)」向けの手続きを別に用意していて、本人確認はパスポートで行います。
そろえるもの
| そろえるもの | どこで | 役わり |
|---|---|---|
| 証券取引コード (STC) | ベトナム証券保管振替機構(VSDC) ※証券会社が代行して申請します | 外国人投資家に一度だけ発行される6文字のコード。これがないと売買できません |
| 間接投資資本口座 (IICA) | ベトナムの銀行 | ベトナムドン建ての専用口座。株の売買代金・配当の入出金はすべてここを通ります。外国人が持てるのは同時に1つだけです |
| 証券会社の取引口座 | ベトナムの証券会社 | 実際に売買する口座 |
必要な書類
- パスポートの写し(公証、または大使館・領事館での認証つき)
- すでに証券取引コードを持っている場合は、その証明書
- すでに間接投資資本口座がある場合は、その確認書
- 英語以外の書類は、ベトナムで登録された翻訳会社による英訳
認証は取得から1年以内のものを求められるのが一般的です。細かい必要書類は証券会社ごとに違うので、口座を開く会社に確認してください。
外国人が持てる株数の上限(外国人枠)に注意
ベトナムには、外国人が合わせて持てる株式の割合に上限がある銘柄があります。この上限がすでに埋まっていると、権利を持っていても新株を買えない、買える数が減る、ということが起こります。
- 銀行は、外国人が合わせて持てるのは発行済み株式の30%までと法律で決まっています(2025年の改正で、経営再建中の一部の銀行だけ49%まで認められるようになりました)
- それ以外の上場企業は、業種ごとの法律で制限がなければ上限なしが原則です
- ただし会社が自分で低い上限を決めることもできます。その場合は株主総会で決議し、定款に書く必要があります
たとえばBIDV(BID)は上限30%に対して外国人の保有が17.54%、ビングループ(VIC)は上限49%に対して3.15%です(銘柄ページの数字カードに、上限と残りの枠を毎営業日出しています)。
権利をゆずるときの決まり
新株を買う権利は、買うか買わないかを選べます。決められた申し込みの期間のうちに手続きをしないと権利は消えます(払ったお金が戻るわけではなく、そもそも何も受け取れません)。
期間のうちであれば、権利だけをほかの人へゆずることもできます。ただしゆずれるのは1回だけで、ゆずり受けた人がさらに別の人へ渡すことはできません。ゆずれる期間と、新株の代金を払い込む期間は、会社の発表で別々に決められます。
まとめ
- 株式配当も新株を買う権利も、1株に満たない端数は切り捨て。切り捨てられた分は消え、現金での精算はありません
- 権利を行使したりゆずったりできるのは、ベトナムの証券口座で株を持っている人だけです
- 日本の証券会社では権利を行使できません。売れれば現金、売れなければ失効します
- ベトナムに住んでいない外国人でも口座は開けます。一時在留カードは不要で、証券取引コード・間接投資資本口座・取引口座の3つをそろえます
- 銀行など外国人枠に上限がある銘柄では、枠が埋まっていると権利を使えないことがあります
税金の扱いは、ベトナムの証券会社と日本の証券会社で大きく違います。あわせてご覧ください。
※ この記事は公表されている制度と各社の案内をもとにまとめたもので、投資助言ではありません。制度や必要書類は変わることがあります。手続きの前に、口座を開く証券会社の最新の案内をご確認ください。
