銘柄コード『HVN』
・株価と為替レート(2024年3月11日時点)
1株=13,400ドン(約80円)
1,000ドン=5.96円
1円=167.65ドン
ベトナム航空は、2019年に1株あたり1,000ドンの現金配当を行いました。2020年から2023年の4年間は、現金配当を配っていません。
ただし2021年は、100株あたり56.40592株まで1株10,000ドンで買う権利を株主はもらえました。
ベトナム航空は、1956年1月の政府によるベトナム民間航空局設立から始まりました(ソース:ベトナム航空の歴史)。2014年11月14日に民営化、株式公開されました。2016年1月12日には、ベトナム中央省庁である交通運輸省が保有していた株式の一部を日本のANAホールディングスへ売却しています。ANAはベトナム政府以外の大株主として役員の派遣もしており、ベトナム航空の民営化を加速させました。2017年1月3日にUPCoM市場へ上場し、2019年5月7日にはホーチミン証券取引所へ上場しました。外国人でもベトナム航空株の購入ができます。銘柄コードは『HVN』です。
ベトナムで最大の航空会社でしたが、時価総額や運用機数でも後発の民間航空会社ベトジェットエアに抜かれています。新型コロナウイルス流行の影響により、財務も悪化しており、今後の立て直しが急務になっています。
ベトナム航空(HVN)の配当
ベトナム航空は、コロナの影響で2020年から2023年の4年間現金の配当を行っていません。コロナ流行前の2019年は、1株あたり1,000ドンの配当金を配りました。
ベトナムの企業は配当金だけでなく、株式の配当や買う権利も配られます。2021年は、100株あたり56.40592株まで1株10,000ドンで買う権利をもらえました。例えば100株持ってる人なら、56株まで1株あたり10,000ドンで購入できました。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
配当金 | 1株あたり600ドン | 1株あたり800ドン | 1株あたり1,000ドン | なし | なし | なし |
配当(株)もしくは権利 | なし | なし | なし | 100株保有ごとに、56.40592株まで、1株10,000ドンで買う権利の付与 | なし | なし |
配当落ち日 | 2017年8月31日 | 2018年5月31日 | 2019年5月31日 | 2021年7月29日 | ||
権利確定日 | 2017年9月1日 | 2018年6月1日 | 2019年6月3日 | 2021年7月30日 | ||
配当がもらえる日 | 2017年10月2日 | 2018年6月29日 | 2019年6月28日 | 2021年11月15日 |
ベトナム航空の年間リターンと配当利回り
ベトナム株式は、配当利回りだけを見て購入してはいけません。配当利回りがよくとも、配当の権利落ち日には株価がその割合で下落します。20%の配当利回りがあっても、権利落ち日に株価が20%下落するため、実質株式の売却と同じになります。
例)評価額が300万ドンの時に、60万ドン分の配当が配られる
→理屈上、権利落ち日には240万ドンの評価額まで売られる。将来、60万ドンの配当が口座へ入る
→240万ドン分の株式と60万ドンの現金が残る=実質、60万ドン分の株式を売却(利確・損切)したのと同じ
ゆえにリターン(利益率)も見なければなりません。
2022年と2023年の株価、配当利回り、リターンを表にまとめました。現金利回りは『1年間の配当金総額』を『年始の終値』で割った%です。トータルリターンは、年始に100株購入した場合で計算しています。
取引基準株価(年始の終値) | 年末の終値 | 株価の年間増減 | 年間配当 | 配当利回り | トータルリターン | |
2022年 | 23,300ドン | 13,900ドン | -40.34% | なし | 0 | -40.34% |
2023年 | 14,500ドン | 12,250ドン | -15.52% | なし | 0 | -15.52% |
2022年HVNのトータルリターン
2022年、HVNに配当はありませんでした。
2022年年始の終値は23,300ドンでした。2022年末の終値は13,900ドンになったため、トータルリターンは-40.34%になっています。
2023年HVNのトータルリターン
2023年、HVNに配当はありませんでした。
2023年年始の終値は14,500ドンでした。2022年末の終値は12,250ドンになったため、トータルリターンは-15.52%になっています。
ベトナム航空の株主
株主 | 所有株式数 | 所有割合 | 情報更新日 |
CMSC(国家資本管理委員会、スーパー委員会) | 1,222,368,291 | 55.20% | 2023年12月31日 |
SCIC(国家資本投資経営総公社) | 689,488,080 | 31.14% | 2023年12月31日 |
ANAホールディングス(法人) | 124,438,698 | 5.62% | 2023年12月31日 |
ベトコムバンク (Vietcombank)(法人) | 14,803,693 | 0.67% | 2021年9月21日 |
HVN組合(自社株) | 1,290,210 | 0.06% | 2021年9月15日 |
ベトナム航空は、2014年に民営化、株式公開されました。2016年1月12日には、ベトナムの中央省庁である交通運輸省が保有していた株式のうち8.77%を2兆4,310億ドン≒130億円で日本のANAホールディングスへ売却しました。ANAホールディングスは、ベトナム航空へ役員の派遣もしています。コードシェア便やANAマイレージクラブの相互提携もしており、関係が密接になっています。
ただ2021年にベトナム政府は、コロナ禍で経営難にあったベトナム航空の救済策を決定しました。これによりベトナム国家銀行(中央銀行)からの融資を実施しています。また政府機関であるCMSC(国家資本管理委員会)、国家資本投資経営総公社(SCIC)に対し、国の株式購入権を行使することを認め、これら政府系機関が90%弱の保有率となりました。実質の再国有化です。
大株主には、ベトナム政府系機関やANAの他に、ベトコムバンクやHVN組合(ベトナム航空の労働組合)があります。
CMSC(国家資本管理委員会、Ủy ban Quản lý vốn Nhà nước tại doanh nghiệp)
ベトナムの国営企業19社に投資された国家資金の管理を目的に発足した組合組織です。スーパー委員会とも呼ばれています。
CMSCは、ベトナム航空等ベトナム国営企業19社を管轄しており、2022年の総売上高は1,100兆ドン(約478億ドル)を越えます。ベトナム経済にも強い影響力を持つ政府系機関です。
SCIC(国家資本投資経営総公社、Tổng Công ty Đầu tư và Kinh doanh vốn Nhà nước)
ベトナム政府の投資機関です。ベトナム政府の資産運用を担っており、SCICを通して一部企業の国有化もしています。
ベトナムの金融サービス、エネルギー、工業、テレコム、建設、運賃、純利益、医療、インフォメーションサイエンスなど、幅広い分野の国内企業へ投資しています。
ベトコムバンク(Vietcombank)
ベトナムで最大の銀行です。1963年にベトナムの国有銀行として設立されました。2006年に民営化され、株式の一部を民間に売却しました。2024年3月時点で、ベトナムの全上場企業でも時価総額が1位の企業です。長年1位だったビングループをコロナショック後に抜いています。
ベトコムバンクも、日本企業と関連の深い企業になります。ベトコムバンク株の75%はベトナムの中央銀行が保有し、15%を日本のみずほ銀行が保有しています。株式の8%弱が市場で売買されています。
HVN組合
HVN組合は、ベトナム航空の労働組合です。ベトナムではどこの会社にも組合があり、そこで働く労働者の正当な権利・利益を代表しています。ベトナム航空の労働組合は、株式も保有し、所有者としての役割も果たしています。
ベトナム航空の客室乗務員労働組合は、新型コロナウイルスで困難に直面している会社に協力するため、2~3か月の基本給を自主的に返上する動きが出て話題になりました。3,200人いる客室乗務員のうち、700~800人が基本給の自主返上に登録しています(ソース:ベトナム航空の客室乗務員、800人が基本給を自主的に返上)。
ベトナム航空株(HVN)を買う方法
ベトナムの証券会社でベトナム航空株を買えば、手数料も安く済みます。主な手数料の取引手数料は、約定代金に対する%で0.10%~です。例えば1億ドン(約60万円)分の株式を購入しても600円程度の手数料しかかかりません。
しかし日本人がベトナムで証券口座を開設するには、6ヶ月以上の有効なビザが必要とされます(※証券会社によって口座開設の要件は異なります)。ビザ取得には、ベトナムでの就職や起業などが必要になります。
日本に住む人は、日本の証券会社でベトナム株を買う方が敷居は低いです。
HVNの株価(リアルタイム)と長期チャート
株価チャートの表示方法:PCでは枠内にカーソルを合わせる、スマホではタップ