銘柄コード『VJC』
・株価と為替レート(2024年3月9日時点)
1株=103,700ドン(約619円)
1,000ドン=5.96円
1円=167.65ドン
ベトジェットエアは、2019年に1株あたり1,000ドンの配当金を配りました。2020年から2023年の4年間は、配当を配っていません。
ベトジェットエア(Vietjet Air)はベトナムで初めての民間航空会社です。2017年にホーチミン証券取引所へ上場しました。銘柄コードは『VJC』です。
新型コロナウイルスの流行により、売上は大幅に減少し、2022年には大幅な赤字を計上しました。2020年から2023年は配当も配っていません。
2024年3月時点、ベトナムの上場企業で26番目の時価総額になっています。時価総額ではベトナム航空(同41位)をすでに上回っており、運用機数でもベトナム最大の航空会社です。
2015年から2023年の配当実績
ベトジェットエアは、新型コロナウイルスの影響で2020年から2023年の4年間配当を配っていません。コロナ流行前の2019年は、1株あたり1,000ドンの配当金を配りました。
ベトナムの企業は配当金だけでなく、株式の配当もあります。VJCも2017年に上場して2年間は、現金と株の配当を行っています。株式を配当で配るのは長期で保有してもらうためです。ホーチミン証券取引所では100株単位で売買されます。 配当で株を配ると端数が生じるため、全てを売却しずらくなります。
2017年 1回目 | 2017年 2回目 | 2017年 3回目 | 2018年 1回目 | 2018年 2回目 | 2018年 3回目 | 2018年 4回目 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
配当金 | 1株あたり1,000ドン | 1株あたり2,000ドン | なし | 1株あたり1,000ドン | 1株あたり1,000ドン | なし | 1株あたり2,000ドン | 1株あたり1,000ドン | なし | なし | なし | なし |
配当(株)もしくは権利 | なし | なし | 100株に対して40株 | なし | なし | 100株に対して20株 | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
配当落ち日 | 2017年5月9日 | 2017年7月28日 | 2017年9月22日 | 2018年1月22日 | 2018年5月9日 | 2018年6月29日 | 2018年9月5日 | 2019年4月23日 | ||||
権利確定日 | 2017年5月10日 | 2017年7月31日 | 2017年9月25日 | 2018年1月23日 | 2018年5月10日 | 2018年7月2日 | 2018年9月6日 | 2019年4月24日 | ||||
配当がもらえる日 | 2017年5月30日 | 2017年8月15日 | 2017年10月11日 | 2018年2月7日 | 2018年5月25日 | 2018年8月1日 | 2018年9月19日 | 2019年5月10日 |
ベトナム株の中でも、ベトジェット株の配当がもらえる日は、配当落ち日からの期間が短かったです。早い年では、権利確定日から約2週間後に配当が証券口座へ入金されました。
2017年9月と2018年6月には株式の配当もありました。2018年の株式配当比率は100:20です。100株に対して20株配られました(小数点以下は切り捨てです)。2019年に現金配当を行った後、新型コロナウイルスの影響により売上は大幅に減少、2020年から2023年の4年間は配当がありませんでした。
2022年は大幅な赤字を計上しましたが、2023年の1-3月期、2023年7-9月期は黒字でした。配当も今後復活する予定です。
VJCの年間リターンと配当利回り
ベトナム株式は、配当利回りだけを見て購入してはいけません。配当利回りがよくとも、配当の権利落ち日には株価がその割合で下落します。20%の配当利回りがあっても、権利落ち日に株価が20%下落するため、実質株式の売却と同じになります。
例)評価額が300万ドンの時に、60万ドン分の配当が配られる
→理屈上、権利落ち日には240万ドンの評価額まで売られる。将来、60万ドンの配当が口座へ入る
→240万ドン分の株式と60万ドンの現金が残る=実質、60万ドン分の株式を売却(利確・損切)したのと同じ
ゆえに配当利回りを計算する際にはリターン(利益率)も見なければなりません。
2022年と2023年の株価、配当利回り、リターンを表にまとめました。現金利回りは『1年間の配当金総額』を『年始の終値』で割った%です。トータルリターンは、年始に100株購入した場合で計算しています。
年始の終値 | 年末の終値 | 株価の年間増減 | 年間配当 | 配当利回り | トータルリターン (100株あたり) | |
2022年 | 126,000ドン | 109,500ドン | -13.10% | なし | 現金利回り0% | -13.10% |
2023年 | 111,700ドン | 108,000ドン | -3.31% | なし | 現金利回り0% | -3.31% |
2022年VJCのトータルリターン
2022年は、配当がありませんでした。
2022年年始の終値は126,000ドンでした。2022年末の終値は109,500ドンになったため、トータルリターンは-13.10%になっています。
2023年VJCのトータルリターン
2023年も、配当はありませんでした。
2023年年始の終値は126,000ドンでした。2023年末の終値は109,500ドンになったため、トータルリターンは-3.31%になっています。
ベトジェットエア(VJC)の株主
株主 | 所有株式数 | 所有割合 | 情報更新日 |
サンフラワーサニーインベストメント (SUNFLOWER SUNNY INVESTMENT COMPANY LIMITED:NTNN)(法人) | 154,740,160 | 28.57% | 2022年12月31日 |
グエン ティ フオン タオ (Nguyen Thi Phuong Thao)(個人) | 47,470,914 | 8.76% | 2022年12月31日 |
ソビコホールディングス (Sovico Holdings)(法人) | 41,106,000 | 7.59% | 2022年12月31日 |
HDバンク (HDBank) | 26,809,020 | 4.95% | 2022年12月31日 |
シンガポール政府投資公社 (Government of Singapore Investment Corporation:GIC) | 26,125,408 | 4.82% | 2020年5月19日 |
ベトジェットエア(VJC)の大株主は、社長グエン ティ フオン タオと彼女の所有する会社です。サンフラワーサニーインベストメントやソビコホールディングスも彼女が所有する会社です。
彼女はベトナムで初の女性ビリオネア(10億ドル以上の資産を持つ人)で有名な人です。ベトナムのビリオネアにはビングループの会長ファム ニャット ブオンもいます。
1970年生まれのグエン ティ フオン タオは、ソビエト連邦(現在のロシア)に留学し、アジアからの輸入品をモスクワで販売して100万ドル以上を稼ぎます。このお金をテクコムバンク(TCB)やベトナム国際銀行(VIB)へ投資して資産を増やし、ベトナムで初の民間航空会社ベトジェットエアを2007年に設立しました。グエン ティ フオン タオはベトジェットの他に、ソビコホールディングスを通して金融、不動産、電力などの分野へ投資しています。
サンフラワーサニーインベストメント(SUNFLOWER SUNNY INVESTMENT COMPANY LIMITED:NTNN)
サンフラワーサニーインベストメントは、ベトジェットエア社長のグエン ティフオンタオが所有する企業です。彼女はこの会社経由でも、オーナーとしてベトジェットの管理をしています。
ソース:https://tendoanhnghiep.vn/thong-tin/CONG-TY-TNHH-DAU-TU-HUONG-DUONG-SUNNY-NTNN-62330.html
https://cafef.vn/mot-doanh-nghiep-cua-ba-phuong-thao-du-kien-rot-gan-1900-ty-dong-vao-vietjet-gia-mua-84600-dong-cp-20170123215413028.chn
ソビコホールディングス(Sovico Holdings)
ベトジェットエア社長のグエン ティ フオン タオが創業者で会長を務める会社です。航空分野(ベトジェット)の他に金融、不動産、電力の分野へ投資するコングロマリット(複合企業)です。
金融分野ではHDバンクの大株主で、銀行経営に参加しています。
不動産分野ではホーチミンの市街地やオフィスビル、ダナンのフラマリゾートなどのホテルに投資しています。
電力分野では水力発電所開発のプロジェクトへ投資しています。火力発電所や太陽光発電所開発へも進出予定です。
HDバンク(HDBank)
HDバンクは、ベトナムでトップ8に入る商業銀行です。2018年1月5日にホーチミン証券取引所(HOSE)へ上場しました。
HDバンクの大株主には、ソビコホールディングスやベトジェットエア社長のグエン ティ フオン タオがいます。ベトジェットエアオーナーと関係の深い会社です。
シンガポール政府投資公社(Government of Singapore Investment Corporation:GIC)
シンガポール政府投資公社(GIC)は、シンガポール政府が外貨準備金を管理するために設立した政府系ファンドです。株式、債券、不動産等幅広く投資しています。米国の政府系投資ファンド研究所(SWFI)が出したSWF運用資産総額ランキングによると、GICの運用資産総額は推定3,900億米ドル、世界第8位の規模になっています。
GICはベトジェット株を約5%保有しており、日本の不動産にも投資しています。
ソース:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2018/f943d46c2d5965b8.html
ベトジェットエア(VJC)株を買う方法
ベトナムの証券会社でVJC株を買えば、手数料も安くすみます。主な手数料の取引手数料は、約定代金に対する%で0.10%~です。例えば、1億ドン(約60万円)分の株式を購入しても600円程度の手数料しかかかりません。
しかし日本人は6ヶ月以上の有効なビザが、ベトナムでの証券口座開設に必要とされます(※証券会社によって口座開設の要件は異なります)。ビザ取得には、ベトナムでの就職や起業などが必要になります。
日本に住む人は、日本の証券会社で買う方が敷居は低いです。
新型コロナウイルスによる株価の上下でも、ベトナム株は日本株とは違った動きをしました。リスク分散の投資先に、ベトナム市場は悪くないと思います。
航空需要もほぼ回復しており、今後はベトジェットエア株の伸びにも期待できそうです。
VJCの株価(リアルタイム)と長期チャート
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