銘柄コード『VCB』
・株価と為替レート(2024年3月19日時点)
1株=92,500ドン(約562円)
1,000ドン=6.08円
1円=164.54ドン
ベトコムバンクは、2021年まで毎年1株あたり800ドンから1,200ドンの現金配当を行っていました。
2021年と2023年には、保有株式に対して株式配当も行っています。
ベトコムバンク(ベトナム外商銀行)は、1963年に設立されたベトナムの銀行です。国有銀行として始まり、2006年に民営化され、株式の一部を民間に売却しました。VCB株式の75%はベトナムの中央銀行が保有し、15%を日本のみずほ銀行が保有しています。
2024年3月時点で、ベトナム最大の時価総額を持つ民間企業です。金融機関としても最大で、2番手のBIDVとも大きな差をつけています。
VCBの配当
ベトコムバンクは、コロナ流行前まで、毎年1回現金で配当を配っていました。しかし2022年、2023年は現金配当がありませんでした。
ベトナムの企業は配当金だけでなく、株式の配当も配られます。ベトコムバンクも、2021年と2023年に株式の配当を配っています。2023年には1,000株あたり181株を配りました。
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
配当金 | 1株あたり1,200ドン | 1株あたり1,000ドン | 1株あたり1,000ドン | 1株あたり800ドン | 1株あたり800ドン | 1株あたり800ドン | 1株あたり800ドン | 1株あたり1,200ドン | なし | なし |
配当(株)もしくは権利 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | 1,000株あたり276株の配当 | なし | 1,000株あたり181株の配当 |
配当落ち日 | 2014年6月18日 | 2015年6月26日 | 2016年9月9日 | 2017年9月28日 | 2018年10月5日 | 2019年12月30日 | 2020年12月21日 | 2021年12月22日 | 2023年7月25日 | |
権利確定日 | 2014年6月20日 | 2015年6月30日 | 2016年9月12日 | 2017年9月29日 | 2018年10月8日 | 2019年12月31日 | 2020年12月22日 | 2021年12月23日 | 2023年7月26日 | |
配当がもらえる日 | 現金配当の実地日は不定 | 2015年7月30日 | 2016年9月30日 | 2017年10月16日 | 2018年10月25日 | 2020年1月15日 | 2021年1月8日 | 2022年1月5日(現金配当の日。株式配当の実地日は不定) | 株式配当の実地日は不定 |
株式配当は、小数点以下が切り捨てとなる旨がレポートにも記載されています。たとえば2023年は1000株あたり181株の配当がもらえました。この時100株持っていたら、もらえる配当は18.1株のはずです。しかし0.1株は切り捨てのルールに従い、実際の配当は18株になります。
VCBの年間リターンと配当利回り
ベトナム株式は、配当利回りだけを見て購入してはいけません。配当利回りがよくとも、配当の権利落ち日には株価がその割合で下落します。20%の配当利回りがあっても、権利落ち日に株価が20%下落するため、実質株式の売却と同じになります。
例)評価額が300万ドンの時に、60万ドン分の配当が配られる
→理屈上、権利落ち日には240万ドンの評価額まで売られる。将来、60万ドンの配当が口座へ入る
→240万ドン分の株式と60万ドンの現金が残る=実質、60万ドン分の株式を売却(利確・損切)したのと同じ
ゆえにリターン(利益率)も見なければなりません。
2022年と2023年の株価、株価の年間増減、年間配当、現金配当利回り、トータルリターンを下記表にまとめました。現金利回りは『1年間の配当金総額』を『年始の終値』で割った%です。トータルリターンは、年始に1000株購入した場合で計算しています。
取引基準株価(年始の終値) | 年末の終値 | 株価の年間増減 | 年間配当 | 現金配当利回り | トータルリターン | |
2022年 | 66,890ドン | 67,740ドン | +1.27% | なし | 0 | +1.27% |
2023年 | 69,940ドン | 80,300ドン | +14.81% | 1,000株あたり181株の株式配当 | 0 | +35.59% |
VCBの現金配当利回りは高いとは言えません。VCBは、現金配当目的ではなく、キャピタルゲインを得る目的での購入がおすすめです。
2022年VCBのトータルリターン
2022年は、株式配当も現金配当もありませんでした。ゆえに株価の年間増減がトータルリターンになります。株価は、79,000ドンから80,000ドン(新株発行後は、66,890ドンから67,740ドン)に増えたため、トータルリターンは+1.27%になりました。
2023年VCBのトータルリターン
2023年年始の終値は69,940ドンでした。1,000株持っていれば6,994万ドンの評価額になります。
2023年7月に、1,000株保有ごとに181株の株式配当の権利が付与されました。
年末は1,181株を所有し、終値は80,300ドンになったため、9,483万4,300ドンの評価額になりました。
2023年年始の終値で1,000株購入した場合、6,994万ドンの評価額が9,483万4,300ドンになったため、トータルリターンは+35.59%になりました。
VCBの株主と所有株式
株主 | 所有株式数 | 所有割合 | 情報更新日 |
ベトナム国立銀行(SBV) | 4,190,658,015 | 74.98% | 2023年7月25日 |
みずほ銀行(法人) | 838,372,264 | 15.00% | 2023年7月25日 |
GIC Private Limited | 94,442,442 | 2.55% | 2019年1月10日 |
FPT(法人) | 43,235,549 | 1.17% | 2018年6月30日 |
FPT Telecom(法人) | 20,562,268 | 0.55% | 2018年6月30日 |
ベトコムバンクの大株主は、ベトナム国立銀行です。ベトナム国立銀行はベトナムの中央銀行です。ベトナムの中央銀行がVCB株の74.8%を保有しています。
ベトコムバンクは、2006年に民営化され、日本のみずほ銀行と2011年に資本・業務提携を発表しています。みずほ銀行は、VCB株の15%を保有しており、VCBにはみずほ銀行から取締役が派遣されています。日本の銀行が株主になっていたり、取締役に日本人もいるため、ベトナムではVCBのガバナンスが正常に働いているという安心感があります。ちなみにVCB株は、30%まで外国法人や外国人による保有が認められています。
GIC Private Limitedは、1981年にシンガポール政府がシンガポールの外貨準備を管理するために設立した政府系ファンドです。2019年1月10日時点で、GIC Private LimitedはVCB株の2.55%を保有していました。
FPTは、ベトナムの大手情報通信企業です。
FPT Telecomは、FPTの子会社になります。
その他、VCB株式の8%弱が市場で売買されています。
VCBが所有している株式
VCBは、ベトナムトップの民間企業で、いくつか会社の株も所有しています。代表的な5社を紹介します。
株主 | VCBが保有している株式数 | VCBが保有している株式の占める割合 | 情報更新日 |
軍隊銀行(MBB) | 200,304,498 | 3.84% | 2022年8月22日 |
エクシムバンク(EIB) | 84,314,947 | 4.84% | 2023年9月22日 |
ベトナム航空(HVN) | 23,153,852 | 1.05% | 2022年6月30日 |
ペトロリメックス保険(PGI) | 8,904,000 | 8.03% | 2022年3月24日 |
サイゴンバンク(SGB) | 13,459,600 | 4.37% | 2011年12月31日 |
軍隊銀行(MBB)、エクシムバンク(EIB)、ベトナム航空(HVN)、ペトロリメックス保険(PGI)は、ホーチミン証券取引所へ上場しています。サイゴンバンク(SGB)の株式は、未上場公開株取引市場(UPCoM)でのみ買えます。
ベトコムバンク(VCB)株を買う方法
ベトナムの証券会社でベトコムバンク株を買えば、手数料も安く済みます。主な手数料の取引手数料は、約定代金に対する%で0.10%~です。例えば1億ドン(約60万円)分の株式を購入しても600円程度の手数料しかかかりません。
しかし日本人がベトナムで証券口座を開設するには、6ヶ月以上の有効なビザが必要とされます(※証券会社によって口座開設の要件は異なります)。ビザ取得には、ベトナムでの就職や起業などが必要になります。
日本に住む人は、日本の証券会社でベトナム株を買う方が敷居は低いです。
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