銘柄コード『SAB』
・株価とレート(2023年7月1日時点)
1株=153,600ドン
1,000ドン=6.12円
1円=163.44ドン
サイゴンビールは、2022年には年3回1株あたり1,500ドンから2,500ドンの配当金を配りました。2023年は、現金だけでなく、株式による配当も行われる予定です。
サイゴンビール アルコール飲料総公社(サベコ、SABECO : Saigon Beer Alcohol Beverage Corporation)はビール、アルコール、清涼飲料水を製造して販売する会社です。主要なビール製品にはビア サイゴン(サイゴンビール)、333 (バーバーバー)があります。
サイゴンビールは、売上の90%弱がビール事業です。コロナ禍でも20%弱の純利益を維持しており、配当も安定的に配っています。
2016年12月06日にホーチミン証券取引所へ上場し、基準価格110.000ドン/株となりました。2023年7月時点、ベトナムの上場企業時価総額ランキングで12位に入る大企業です。銘柄コードは”SAB”です。
2016年から2023年7月までのサイゴンビール(SAB)の配当
SABは、2016年に上場してから現金配当しか配っていませんでした。しかし今後は株式配当も行う予定です。割合は、1株に対して1株(1:1)での配当になると予定されています。
2016年 | 2018年 1回目 | 2018年 2回目 | 2018年 3回目 | 2019年 | 2020年 1回目 | 2020年 2回目 | 2021年 | 2022年 1回目 | 2022年 2回目 | 2022年 3回目 | 2023年 1回目 | 2023年 2回目 | |
配当金 | 1株あたり3,000ドン | 1株あたり3,500ドン | 1株あたり1,500ドン | 1株あたり2,000ドン | 1株あたり1,500ドン | 1株あたり3,500ドン | 1株あたり2,000ドン | 1株あたり1,500ドン | 1株あたり2,000ドン | 1株あたり1,500ドン | 1株あたり2,500ドン | 1株あたり1,000ドン | 1株あたり1,500ドン |
配当(株)もしくは権利 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
配当落ち日 | 2016年12月26日 | 2018年1月15日 | 2018年10月16日 | 2018年11月26日 | 2019年9月5日 | 2020年2月13日 | 2020年11月30日 | 2021年3月2日 | 2022年1月7日 | 2022年3月2日 | 2022年12月20日 | 2023年3月2日 | 2023年6月9日 |
権利確定日 | 2016年12月27日 | 2018年1月16日 | 2018年10月17日 | 2018年11月27日 | 2019年9月6日 | 2020年2月14日 | 2020年12月1日 | 2021年3月3日 | 2022年1月10日 | 2022年3月3日 | 2022年12月21日 | 2023年3月3日 | 2023年6月12日 |
配当がもらえる日 | 2017年1月10日 | 2018年1月23日 | 2018年10月31日 | 2018年12月12日 | 2019年9月27日 | 2020年3月9日 | 2020年12月18日 | 2021年3月26日 | 2022年1月27日 | 2022年3月23日 | 2023年1月11日 | 2023年3月24日 | 2023年7月7日 |
※配当がもらえる日は、ベトナムの証券会社でサイゴンビール株を購入した場合の予定日です。
毎年1回から3回の配当を配っており、配当回数の多さを好んで長期保有してる方も多い銘柄です。
またサイゴンビールはベトナム株の中でも配当落ち日から配当がもらえるまでの期間が短いです。配当落ち日から早くて1週間後、遅くても1ヶ月以内に配当を配っています。
サイゴンビールの年間リターンと配当利回り
ベトナムの株式の多くは、配当利回りだけ見てもあまり意味がありません。なぜならベトナム株は株式配当も多いからです。株式の配当を出すと1株が希釈化されるため、株価は下落します。ゆえに配当利回りだけでなく、リターン(利益率)も見なければなりません。
直近2021年と2022年の株価、配当利回り、リターンを表にまとめました。配当利回りは『1年間の配当金総額』を『年始の終値』で割った%です。トータルリターンは、年始に100株購入した場合で計算しています。
年始の終値 | 年末の終値 | 株価の年間増減 | 年間配当 | 配当利回り | トータルリターン (100株あたり) | |
2021年 | 199,400ドン | 151,000ドン | -24.27% | 1,500ドン | 0.75% | -23.52% |
2022年 | 157,000ドン | 166,900ドン | +6.30% | 6,000ドン | 3.82% | +10.13% |
2021年SABのトータルリターン
2021年3月に1株あたり1,500ドンの配当金をもらえました。2021年の配当は1回だけなので、年始で100株購入した人の配当金は合計で15万ドンになります。年始の終値は199,400ドンです。年始サイゴンビール100株の評価額は1,994万ドンでした。15万ドンを1,994万ドンで割ると、配当利回りは0.75%になります。
2021年末は100株を所有し、終値は151,000ドンになったため、1,510万ドンの評価額になりました。これに15万ドンの配当を足すと、1,525万ドンになります。年始1,994万ドンの評価額が1,525万ドンになったため、トータルリターンは-23.52%になっています。
2022年SABのトータルリターン
2022年は、1月に1株あたり2,000ドン、3月に1株あたり1,500ドン、12月に1株あたり2,500ドンの配当金をもらえました。年始で100株購入した人の配当金は合計で60万ドンになりました。年始の終値は157,000ドンです。100株の評価額は1,570万ドンでした。60万ドンを1,570万ドンで割ると、配当利回りは3.82%になります。
2022年末は、終値が166,900ドンになりました。100株所有で1,669万ドンの評価額になりました。これに60万ドンの配当を足すと、1,729万ドンになります。年始1,570万ドンの評価額が1,729万ドンになったため、トータルリターンは+10.13%になっています。
サイゴンビール(SAB)の株主
株主 | 所有株式数 | 所有割合 | 情報更新日 |
ベトナムビバレッジカンパニーリミテッド (VIETNAM BEVERAGE COMPANY LIMITED)(法人) | 343,642,587 | 53,59% | 2022年12月31日 |
産業貿易省 (Ministry of industry and trade of the socialist republic of viet nam : MOIT)(政府機関) | 230,876,547 | 36.00% | 2022年12月31日 |
ハイネケン アジア パシフィック (Heineken Asia Pacific Pte. Ltd)(法人) | 2,474,800 | 0.39% | 2019年11月15日 |
グエン ホアン チュン(Nguyễn Hoàng Trung)(個人) | 49,239 | 0.01% | 2018年4月19日 |
サイゴンビールは、国の事業としてスタートしました。ベトナムの省庁である産業貿易省がサイゴンビール株の約90%を保有していました。2017年12月にタイのコングロマリットTCCグループへ53.59%の株式を48億ドルで売却しました。ベトナムの会社は外国人保有率が制限されています。サイゴンビールも49%以下に制限されていたため、子会社のベトナムビバレッジを設立し、この会社の保有となりました。現在のサイゴンビールは外国人保有比率の制限がありません。100%外国人株主も可能になっています。
産業貿易省は、TCCグループへ売却したため、保有割合は90%から36%に減りました。しかし36%はまだ産業貿易省が保有してます。
2019年11月15日の大量保有報告書では、世界的なビールメーカーハイネケンの海外支社ハイネケン アジア パシフィックが0.39%の株式保有を公開しました。金額にして、25億円程度になります。
2018年7月21日から社長に就任したKoh Poh Tiongの所有株式数と割合は公開されていません。
ベトナムビバレッジカンパニーリミテッド(VIETNAM BEVERAGE COMPANY LIMITED)
ベトナムビバレッジカンパニーリミテッド(VIETNAM BEVERAGE COMPANY LIMITED)は、2017年10月にハノイで設立されました。事業内容は、経営コンサルティングです。サイゴンビールのオーナーという顔の他にも、コンピュータープログラミング、コンピューターに関するコンサルティングとコンピューターシステムの管理もしています。
ベトナム ビバレッジは、ベトナムF&Bアライアンス インベストメント(Vietnam F&B Alliance Investment Joint Stock Company)の100%子会社です。F&Bアライアンス インベストメントの株式を49%所有するのがビアーコリミテッド(Beerco Limited)であり、ビアーコリミテッドはタイのアルコール飲料最大手タイ ビバレッジが親会社になっています。つまりタイ ビバレッジが間接的にサイゴンビール株の53.59%を所有し、事業を支配する親会社になっています。
タイビバレッジの創設者はTCCグループの会長Charoen Sirivadhanabhakdiであり、彼はタイ人の億万長者として有名です。Charoen Sirivadhanabhakdiと家族は現在、タイで最大の不動産開発業者となっています。シンガポールの商業および小売ビル、ホテル プラザ アテネ ニューヨークやオークラプレステージバンコクなど、アジア、米国、英国、オーストラリアに50のホテルを所有しています。拠点は香港に置いています。
産業貿易省(Ministry of industry and trade of the socialist republic of viet nam : MOIT)
産業と貿易に関するベトナム社会主義共和国の中央省庁です。金属機械、電気、新エネルギー、再生可能エネルギー、石油、化学薬品、産業用爆発物、鉱業および鉱物加工産業などの分野でも認可や規制の省令を作っています。
参照:産業貿易省(Ministry of industry and trade of the socialist republic of viet nam : MOIT)
ハイネケン アジア パシフィック(Heineken Asia Pacific Pte. Ltd)
ハイネケン アジア パシフィック(Heineken Asia Pacific Pte. Ltd)は、ハイネケングループのアジア太平洋を統括する会社です。ヨーロッパおよびアジアを中心に営業する世界有数のビールメーカーです。ハイネケンビールで知られています。
ハイネケングループは、オランダを代表する大企業です。オランダのハイネケンとアムステルを主軸とする持株会社になっています。
サイゴンビール(SAB)株を買う方法
ベトナムの証券会社でSAB株を買えば、手数料も安くすみます。主な手数料の取引手数料は、約定代金に対する%で0.10%~です。例えば、1億ドン(約61万円)分の株式を購入しても610円程度の手数料しかかかりません。
しかし日本人は6ヶ月以上の有効なビザが、ベトナムでの証券口座開設に必要とされます(※証券会社によって口座開設の要件は異なります)。ビザ取得には、ベトナムでの就職や起業などが必要になります。
日本に住む人は、日本の証券会社で買う方が敷居は低いです。
新型コロナウイルスによる株価の上下でも、ベトナム株は日本株とは違った動きをしました。リスク分散の投資先の1つに、ベトナム株はおすすめです。