銘柄コード『FPT』
・株価とレート(2023年4月19日)
1株=79,300ドン
1,000ドン=5.73円
1円=174.59ドン
去年1年の実績では、2022年6月は1株あたり1,000ドンの配当金と保有株20%の株による配当がありました。2022年8月には1株あたり1,000ドンの配当金がありました。
FPTはソフトウエアの受託開発や携帯電話、電気機器の販売を行うベトナムの情報通信企業です。FPTの関連会社には証券会社もあり、FPT証券もホーチミン証券取引所へ上場しています。
2015年から2022年の配当実績
ベトナムの企業は配当金だけでなく、株式の配当もあります。FPTも毎年現金と株の配当を行っています。
2022年まで、FPTの配当金は1000ドンから1500ドンで年に2回配当がありました。年に1回は保有株式の10%から20%を株で配っています。
2020年までは配当の権利が決まるのは毎年5月と8月になっていました。2021年からは毎年6月と8月に配当の権利が決まっています。
2015年 1回目 | 2015年 2回目 | 2016年 1回目 | 2016年 2回目 | 2017年 1回目 | 2017年 2回目 | 2018年 1回目 | 2018年 2回目 | 2019年 1回目 | 2019年 2回目 | 2020年 1回目 | 2020年 2回目 | 2021年 1回目 | 2021年 2回目 | 2022年 1回目 | 2022年 2回目 | |
配当金 | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,500ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン | 1株1,000ドン |
配当(株) | 保有株式の15% | なし | 保有株式の15% | なし | 保有株式の15% | なし | 保有株式の15% | なし | 保有株式の10% | 保有株式の15% | 保有株式の15% | 保有株式の20% | ||||
配当落ち日 | 2015年05月28日 | 2015年08月19日 | 2016年05月27日 | 2016年08月22日 | 2017年05月25日 | 2017年08月17日 | 2018年05月25日 | 2018年08月16日 | 2019年05月17日 | 2019年08月15日 | 2020年05月13日 | 2020年08月17日 | 2021年06月01日 | 2021年08月16日 | 2022年06月13日 | 2022年08月24日 |
権利確定日 | 2015年06月01日 | 2015年08月21日 | 2016年05月30日 | 2016年08月23日 | 2017年05月26日 | 2017年08月18日 | 2018年05月28日 | 2018年08月17日 | 2019年05月20日 | 2019年08月16日 | 2020年05月14日 | 2020年08月18日 | 2021年06月02日 | 2021年08月17日 | 2022年06月14日 | 2022年08月25日 |
配当がもらえる日 | 2015年06月12日 (現金配当支払日)※株式配当支払日は不定 | 2015年09月09日 | 2016年06月10日(現金配当支払日) 2016年07月07日(株式配当支払日) | 2016年09月07日 | 2017年06月09日(現金配当支払日)※株式配当支払日は不定 | 2017年08月31日 | 2018年06月08日(現金配当支払日)※株式配当支払日は不定 | 2018年08月31日 | 2019年06月07日(現金配当支払日)※株式配当支払日は不定 | 2019年08月30日 | 2020年06月05日(現金配当支払日)※株式配当支払日は不定 | 2020年09月01日 | 2021年06月16日(現金配当支払日)※株式配当支払日は不定 | 2021年09月01日 | 2022年06月27日(現金配当支払日)※株式配当支払日は不定 | 2022年09月12日 |
株式を配当で配るのは長期で保有してもらうためです。ホーチミン証券取引所では100株単位で売買されます。 配当で株を配ると端数が生じるため、全てを売却しにくくなります。
FPTの年間リターンと配当利回り
配当金に期待してベトナム株を購入する方は多いです。しかし、ベトナム株は配当利回りだけでなく、株価の推移も見なければなりません。なぜなら配当利回りが良くても、株式配当や株式を定額で買える権利(ストックオプション)付与のために新株発行をし、株価がその割合で下落するからです。
毎年FPTは株式での配当も出しています。株式の配当を出すと1株が希釈化されるため、株価は下落します。したがって配当利回りを計算する際にはリターン(利益率)も見なければなりません。配当利回りがよくとも株価がその割合で下落すれば意味がないからです。
2021年年始の終値は43,600ドンでした。100株持っていれば436万ドンの評価額になります。
2021年6月に1株あたり1,000ドンの配当金と15%の株式配当がありました。100株で10万ドンの配当金と15株が付与されました。8月には1株あたり1,000ドンの配当金がありました。年始に100株買っていれば、8月は115株に1000ドンの配当金になるので11.5万ドンの配当金になりました。
年末は115株を所有し、終値は77,500ドンになったため、891.25万ドンの評価額になりました。これに10万ドンと11.5万ドンの配当を足すと、912.75万ドンになります。
2021年年始の終値で100株購入した場合、436万ドンの評価額が912.75万ドンになったため、トータルリターンは+109.3%になりました。1年でほぼ倍になりました。
2022年年始の終値は77,900ドンでした。100株持っていれば779万ドンの評価額になります。
2022年6月に1株あたり1,000ドンの配当金と20%の株式配当がありました。100株で10万ドンの配当金と20株が付与されました。8月には1株あたり1,000ドンの配当金がありました。年始に100株買っていれば、8月は120株に1000ドンの配当金になるので12万ドンの配当金になりました。
年末は120株を所有し、終値は76,900ドンになったため、922.8万ドンの評価額になりました。これに10万ドンと12万ドンの配当を足すと、944.8万ドンになります。
2022年年始の終値で100株購入した場合、779万ドンの評価額が944.8万ドンになったため、トータルリターンは+21.3%になりました。
2021年と2022年で、1年間のリターンと配当利回り(年間配当÷年始の終値)を表にまとめました。現金利回りは『配当金総額』を『年始の終値』で割った%です。トータルリターンは、年始に100株購入した場合で計算しています。
年始の終値 | 年末の終値 | 株価増加率 | 年間配当 | 配当利回り | トータルリターン | |
2021年 | 43,600ドン | 77,500ドン | +77.75% | 保有株式の15%+2,150ドン | 現金利回り4.93%+株式配当15% | +109.3% |
2022年 | 77,900ドン | 76,900ドン | -1.28% | 保有株式の20%+2,200ドン | 現金利回り2.82%+株式配当20% | +21.3% |
FPTの株主
株主 | 所有株式数 | 所有割合 | 情報更新日 |
チュオン ザー ビン(Trương Gia Bình) | 76.741,442 | 7.00% | 2022年12月31日 |
SCIC(ベトナム国家資本投資経営総公社) | 63.506,626 | 5.79% | 2022年12月31日 |
DCVFMVN Diamond ETF | 37.141.211 | 3.39% | 2022年12月31日 |
FPTは、共同創業者の『チュオン・ザー・ビン』が筆頭株主で、ベトナム政府投資機関の『SCIC』、ホーチミン証券取引所に上場している上場投資信託の『DCVFMVN Diamond ETF』が大株主で突出しています。ほかはいずれも3%未満です。上限の49%までは、外資に保有されています。
チュオン ザー ビン(Trương Gia Bình)
FPTの共同創業者12人の1人で、現在は会長兼CEOを務めています。1988年に、ベトナム初のIT企業としてFPTを設立し、2002年に民営化、大株主になりました。
チュオン ザー ビンの主導で、米国マイクロソフト社など大手米国企業や日立、NTT、キヤノンなどの日本企業から開発を受託し、業績を伸ばすことに成功しました。
SCIC(ベトナム国家資本投資経営総公社、Tổng Công ty Đầu tư và Kinh doanh vốn Nhà nước)
ベトナム政府の投資機関です。ベトナム政府の資産運用を担っており、SCICを通して一部国有化しています。
ベトナムの金融サービス、エネルギー、工業、テレコム、建設、運賃、純利益、医療、インフォメーションサイエンスなど、幅広い分野の国内企業へ投資しています。
DCVFMVN Diamond ETF
ホーチミン証券取引所に上場および取引されているETF(上場投資信託)です。ベトナム ダイヤモンド インデックス(VND)との連動を目指しています。Dragon Capital Vietfund Management(DCVFM)により運用されています。DCVFMはDragon Capital と Vietfund Management の合併により設立されました。
ベトナム ダイヤモンド インデックス(VND)は、ホーチミン証券取引所が算出する株価指数の1つです。時価総額、売買代
金、PER(株価収益率)、外国人持株比率などを考慮して選ばれた18銘柄から算出されており、FPTもこの1つに入っています(2022年12月31日情報更新)。構成銘柄やその数、構成比率はホーチミン証券取引所の基準に基づいて3ヵ月ごとに見直しています。
FPT株を買う方法
ベトナムの証券会社でFPT株を買えば、手数料も安くすみます。主な手数料の取引手数料は、約定代金に対する%で0.10%~です。例えば、1億ドン(約47万円)分の株式を購入しても470円程度の手数料しかかかりません。
しかし、日本人は6ヶ月以上の有効なビザが、ベトナムでの証券口座開設に必要とされます(※証券会社によって口座開設の要件は異なります)。ビザ取得には、ベトナムでの就職や起業があります。