銘柄コード『BID』
・株価と為替レート(2023年10月20日時点)
1株=40,500ドン
1,000ドン=6.11円
1円=163.71ドン
BIDVは、主に現金配当を配っています。2014年以降では、2018年と2022年が無配でした。
BIDV(ベトナム投資開発銀行)は、ベトナム大手銀行のひとつです。銀行業務から保険、証券、開発プロジェクトなどへの投資をしています。銘柄コードは『BID』です。
上場しているベトナム企業の中では、VCB(ベトコムバンク)に次いで2番目に大きな時価総額の民間企業です(2023年10月時点)。
BIDVの配当
2014年 | 2015年 1回目 | 2015年 2回目 | 2016年 | 2017年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
配当金 | 1株あたり850ドン | 1株あたり1,020ドン | なし | 1株あたり850ドン | 1株あたり700ドン | 1株あたり1,400ドン | 1株あたり800ドン | 1株あたり200ドン |
配当(株)もしくは権利 | なし | なし | 1000株につき86株を10,000ドンで買う権利の付与 | なし | なし | なし | なし | 100株あたり25.77119312株の配当 |
配当落ち日 | 2014年8月8日 | 2015年5月8日 | 2015年8月14日 | 2016年11月3日 | 2017年8月9日 | 2019年11月7日 | 2020年12月31日 | 2021年12月23日 |
権利確定日 | 2014年8月12日 | 2015年5月12日 | 2015年8月18日 | 2016年11月4日 | 2017年8月10日 | 2019年11月8日 | 2021年1月4日 | 2021年12月24日 |
配当がもらえる日 | 2014年8月28日 | 2015年5月22日 | 2015年9月1日 | 2016年11月21日 | 2017年8月25日 | 2019年12月12日 | 2021年2月3日 | 2022年1月24日(株式配当の実地日は不定) |
BIDVは、現金、株式、株式を購入する権利を配当として配ってきました。2014年以降では、2018年と2022年が無配でした。
2015年は、1000株につき86株を10,000ドンで買う権利が株主へ配られました。2015年8月14日終値でBIDVの株価は2万ドンを超えていたため、権利を行使すれば必ず儲かりました。
こういった権利や株式の配当は、小数点以下切り捨てです。たとえば2015年には、100株持っていた人は、8株までしか10,000ドンで購入できる権利が付与されませんでした(0.6株は切り捨てでした)。
2021年は、100株あたり25.77119312株の配当が株主へ配られました。こちらも小数点以下切り捨てです。たとえば100株持っていた人は25株、10株持っていた人は2株の配当になりました。
BIDVの年間リターンと配当利回り
ベトナムの株式は、配当利回りだけ見ても比較できません。なぜならベトナム株式は、現金配当だけでなく、株式配当や株式を定額で買う権利の付与も行っているからです。株式の配当を出すと1株が希釈化されるため、株価は下落します。ゆえに利回りを計算する際には、リターン(利益率)も見なければなりません。配当利回りがよくとも株価がその割合で下落すれば意味がないからです。BIDVの定額で買う権利も、市場価格よりも安い価格で販売されています(結果、価格は下落しました)。
BIDVの2021年と2022年の株価増減率と配当利回り、トータルリターン等を表にまとめました。現金配当利回りは、配当額を年始の終値で割った%です。BIDVのトータルリターンは、年始に100株を購入し、株式を10,000ドンで買う権利を行使した場合で計算しています。具体的には、年末の評価額に配当金や権利行使のために使った金額を計算し、年末保有分が年始の評価額と比べてどれだけ増えたかの%になります。
年始の終値 | 年末の終値 | 株価の年間増減 | 年間配当 | 現金配当利回り | トータルリターン (100株あたり) | |
2021年 | 38,350ドン | 37,100ドン | -3.26% | ・1株あたり200ドン ・100株あたり25.77119312株の配当 | 0.52% | +21.45% |
2022年 | 37,400ドン | 38,600ドン | +3.21% | なし | 0 | +3.21% |
2021年BIDのトータルリターン
2021年は、12月に現金配当と株式配当がありました。
現金配当は、1株あたり200ドンでした。2021年の現金配当は1回だけなので、年始で100株購入した人の配当金は合計で2万ドンになります。株式配当は、100株あたり25株でした。年始に100株を購入していれば、年末は125株になっています。
年始の終値は、38,350ドンです。年始BID100株の評価額は383.5万ドンでした。2万ドンを383.5万ドンで割ると、配当利回りは0.52%になります。
株式配当があったため、2021年末には125株を所有しています。終値は37,100ドンになったため、463.75万ドンの評価額になりました。これに2万ドンの配当を足すと、465.75万ドンになります。
年始383.5万ドンの評価額が465.75万ドンになったため、トータルリターンは+21.45%になりました。
2022年BIDのトータルリターン
2022年は、配当がありませんでした。
株価の年間増減の+3.21%がそのままトータルリターンになりました。
BIDVの大株主
株主 | 所有株式数 | 所有割合 | 情報更新日 |
ベトナム国家銀行(Ngân hàng Nhà nước Việt Nam) (中央銀行) | 4,096,775,461 | 80.99% | 2022年12月31日 |
韓国外換銀行(ハナ銀行) (法人) | 758,778,572 | 15.00% | 2022年12月31日 |
BIDV労働組合 (自社労働組合) | 9,397,614 | 0.23% | 2018年12月31日 |
Trần Lục Lang(チャン・ルック・ラン) (個人) | 267,981 | 0.01% | 2018年6月30日 |
BIDVで第1位の大株主は、ベトナム国家銀行です。ベトナム国家銀行は、ベトナムの中央銀行です。ベトナムの中央銀行がBIDV株式の80%以上を保有しています。
第2位の大株主は、韓国外換銀行(ハナ銀行)です。ハナ銀行は、BIDVの発行済株式15%を保有しています。ハナ銀行は、韓国の4大銀行の1つです。2015年9月に韓国外換銀行が旧ハナ銀行を吸収合併し、KEB ハナ銀行へ名前を変更しました。2020年2月に、愛称として広がっていたハナ銀行へと名前を戻して現在に至ります。
第3位以下の株主は、保有株式数でほとんど変わりません。2018年の名簿上では、第3位のBIDV労働組合は、発行株式の0.23%を保有しています。
第4位が個人のTrần Lục Lang(チャン・ルック・ラン)です。Trần Lục Lang(チャン・ルック・ラン)は、1967年生まれのベトナム人です。BIDVの副社長を勤めていました。2018年11月21日に銀行活動違反の容疑で逮捕され、副社長を解任されています。
BIDVが所有している株
BIDVは、いくつか会社の株も所有しています。代表的な7社を紹介します。
会社名 | BIDVが保有している株式数 | BIDVが保有している株式の割合 | 上場市場 | 情報更新日 |
BIDV証券(ベトナム投資開発銀行証券) (BSI) | 105,385,362 | 52.1% | ホーチミン証券取引所 | 2023年7月5日 |
BIDV保険(ベトナム投資開発銀行保険) (BIC) | 59,819,259 | 51.01% | ホーチミン証券取引所 | 2023年9月14日 |
ビクトリーキャピタル株式会社 (PTL) | 5,705,400 | 5.77% | ホーチミン証券取引所 | 2018年12月30日 |
ペトロベトナム海洋造船所株式会社 (PVY) | 2,400,000 | 4.03% | UPCoM | 2014年12月30日 |
べカメックスIJC株式会社 (IJC) | 1,689,410 | 0.67% | ホーチミン証券取引所 | 2023年2月2日 |
トゥドゥック住宅開発株式会社 (TDH) | 450,000 | 0.4% | ホーチミン証券取引所 | 2013年2月21日 |
ゴハン株式会社 (NHW) | 3 | 0.0% | 店頭市場(OTC)で売買 | 2014年10月14日 |
BIDV株を買う方法
ベトナムの証券会社でBIDV株を買えば、手数料も安く済みます。主な手数料の取引手数料は、約定代金に対する%で0.10%~です。例えば1億ドン(約61万円)分の株式を購入しても610円程度の手数料しかかかりません。
しかし日本人がベトナムで証券口座を開設するには、6ヶ月以上の有効なビザが必要とされます(証券会社によって口座開設の要件は異なります)。ビザ取得には、ベトナムでの就職や起業などが必要になります。
日本に住む人は、日本の証券会社でベトナム株を買う方が敷居は低いです。