銘柄コード『PLX』
・株価と為替レート(2023年9月12日時点)
1株=40,000ドン
1,000ドン=6.09円
1円=164.13ドン
PLXは、毎年現金配当を配っています。無配にする企業が多い中で、コロナ禍でも安定して配当を配っていました。
ペトロリメックス(Petrolimex、英語名:Vietnam National Petroleum Group)は、原油、ガソリン・石油製品、液化石油ガス(LPG)の販売・運搬、輸出入を行うベトナム企業です。ガソリンの小売も行っており、ベトナムではガソリンスタンドで名前が知られています。石油と天然ガスの分野では、ペトロベトナム(PetroVietnam)とライバル関係にあります。
他にもホテルや観光のサービス、保険、不動産、化成品、情報技術・通信などを子会社、グループで行っています。日本企業のENEOSもペトロリメックスへ出資しており、いくつかの事業で協業しています。
ペトロリメックスは、2011年12月1日に設立され、2017年4月21日にホーチミン証券取引所へ上場しました。
ベトナム上場企業では29番目に高い時価総額の企業です(2023年9月時点)。銘柄コードは『PLX』です。
ペトロリメックス(PLX)の配当
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 1回目 | 2020年 2回目 | 2021年 | 2022年 | |
配当金 | 1株あたり3,224ドン | 1株あたり3,000ドン | 1株あたり2,600ドン | 1株あたり1,000ドン | 1株あたり1,000ドン | 1株あたり1,200ドン | 1株あたり1,200ドン |
配当(株)もしくは権利 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
配当落ち日 | 2017年7月20日 | 2018年6月25日 | 2019年5月30日 | 2020年3月30日 | 2020年9月3日 | 2021年6月23日 | 2022年11月9日 |
権利確定日 | 2017年7月21日 | 2018年6月26日 | 2019年5月31日 | 2020年3月31日 | 2020年9月4日 | 2021年6月24日 | 2022年11月10日 |
配当がもらえる日 | 2017年8月24日 | 2018年7月24日 | 2019年7月23日 | 2020年4月27日 | 2020年9月22日 | 2021年7月6日 | 2022年11月29日 |
現在まで年1回以上、現金で配当が配られています。コロナ禍でも配当は続いてました。
ペトロリメックスの年間リターンと配当利回り
ベトナムの株式は、配当利回りだけ見ても比較できません。なぜならベトナム株式は、現金配当だけでなく、株式配当や株式を定額で買う権利の付与も行っているからです。株式の配当を出すと1株が希釈化されるため、株価は下落します。ゆえに利回りを計算する際にはリターン(利益率)も見なければなりません。配当利回りがよくとも株価がその割合で下落すれば意味がないからです。
2021年と2022年の株価増減率と配当利回り、トータルリターン等を表にまとめました。現金配当利回りは、配当を年始の終値で割った%です。トータルリターンは、年末の終値に配当金を足した数字を年始の終値で割った場合の増加率です。
取引基準株価(年始の終値) | 年末の終値 | 株価の年間増減 | 年間総配当金額 | 現金配当利回り | トータルリターン | |
2021年 | 54,900ドン | 53,900ドン | -1.82% | 1株あたり1,200ドン | 2.19% | +0.36% |
2022年 | 55,900ドン | 31,700ドン | -43.29% | 1株あたり1,200ドン | 2.15% | -41.14% |
2021年ペトロリメックスのトータルリターン
2021年年始の終値は、54,900ドンでした。
2021年は、6月に現金配当がありました。1株あたり1,200ドンです。
年末の終値は53,900ドンになりました。1年で54,900ドンが、53,900ドンと現金配当の1,200ドンになりました(合計55,100ドン)。トータルリターンは+0.36%になりました。
2022年ペトロリメックスのトータルリターン
2022年年始の終値は、55,900ドンでした。
2022年は、11月に現金配当がありました。1株あたり1,200ドンです。
年末の終値は31,700ドンになりました。1年で55,900ドンが、31,700ドンと現金配当の1,200ドンになりました(合計32,900ドン)。トータルリターンは-41.14%になりました。2022年は、1年で半分近くの暴落となってしまいました。
ペトロリメックス(PLX)の株主
株主 | 所有株式数 | 所有割合 | 情報更新日 |
CMSC(国家資本管理委員会、スーパー委員会) (政府機関) | 981,686,626 | 75.87% | 2022年12月31日 |
JX Nippon Oil & Energy Vietnam Company Limited (法人) | 169,228,476 | 13.08% | 2023年6月30日 |
ENEOS VIETNAM COMPANY LIMITED (法人) | 103,528,476 | 8.00% | 2022年12月31日 |
ペトロリメックス(Petrolimex) (自己株口) | 23,285,846 | 1.80% | 2022年12月31日 |
ペトロリメックス労働組合 (労働組合) | 5,000,000 | 0.39% | 2022年12月31日 |
ベトナム政府直属機関のCMSCがペトロリメックス株の約76%を保有しています。
JX Nippon Oil & Energy Vietnam Company LimitedとENEOS VIETNAM COMPANY LIMITEDは、日本企業ENEOSホールディングスの子会社です。日本企業ENEOSホールディングスは、ベトナムで4つの子会社を持っており、そのうち2つがペトロリメックス株を保有しています。
ペトロリメックスは日本との関係が深い企業です。今後もペトロリメックスを起点に日本とのビジネスが広がっていく可能性があります。
CMSCとENEOS子会社の次には、自己株口と自社の労働組合が大株主になっています。
またペトロリメックスも、ホーチミン証券取引所に上場しているペトロリメックスガス(PGC)の株式を50%以上所有する大株主です。
CMSC(国家資本管理委員会、スーパー委員会)
ベトナムの国営企業19社に投資された国家資金の管理を目的に発足した組合組織です。スーパー委員会とも呼ばれています。ベトナム経済にも強い影響力を持つ政府系機関です。
CMSCは、製造業から運送業、空港や鉄道、航空会社等、ベトナム国営企業19社を管轄しており、2022年の総売上高は1,100兆ドン(約478億ドル)を越えます。
エネルギー関連だけでもペトロリメックスやペトロベトナム、ベトナム電力グループの大株主になっています。
JX Nippon Oil & Energy Vietnam Consultings and Holdings Co., Ltd.
JX Nippon Oil & Energy Vietnam Consultings and Holdings Co., Ltd.は、日本企業のENEOSホールディングスの子会社です。ベトナムにあるENEOSの子会社の1つで、ベトナムで潤滑油の製造・輸入・輸出・販売をしています。
ENEOS(旧JXTG)は、2016年に200億円を投じてペトロリメックスに8%出資しました。2019年の時点で、20%以上の保有率まで高めると発表しています(2023年現在は、ENEOS VIETNAM COMPANY LIMITEDと合わせて約21%を保有しています。)。ペトロリメックスには日本人の取締役メンバーが2人おり、ENEOSホールディングス(旧JXTG)から派遣されました。
ENEOSは、以前までJXTGという名前の会社で営業していました。2020年6月からブランド名だったENEOSの名前へ改名し、ENEOSホールディングスになりました。
ENEOS VIETNAM COMPANY LIMITED
ENEOS VIETNAM COMPANY LIMITEDは、ENEOSホールディングスの子会社です。ベトナムにあるENEOSの子会社の1つで、、ペトロリメックスへのコンサルティング業務、ペトロリメックス株式保有業務、再生可能エネルギーや自動車メンテナンス事業もしています。
ペトロリメックス(PLX)を買う方法
ベトナムの証券会社でペトロリメックス株を買えば、手数料も安く済みます。主な手数料の取引手数料は、約定代金に対する%で0.10%~です。例えば1億ドン(約61万円)分の株式を購入しても610円程度の手数料しかかかりません。
しかし日本人がベトナムで証券口座を開設するには、6ヶ月以上の有効なビザが必要とされます(証券会社によって口座開設の要件は異なります)。ビザ取得には、ベトナムでの就職や起業などが必要になります。
日本に住む人は、日本の証券会社でベトナム株を買う方が敷居は低いです。